Trans Human Institute

慶應義塾大学出身の商社マン並びに京大院生による思想研究ユニット(Trans Human Institute)。研究成果をはてなブログとニコニコ生放送でリリースしていきます。

マルサス

5.未来予測の意義

ケインズは、1930年に『孫たちの経済的可能性』の中で、「重要な戦争と顕著な人口増加がないと仮定すれば、およそ100年以内に経済的課題は解決されているであろう。生産力が順調に向上していけば、飢えを寄せ付けない物質的富がもたらされ、人間はほとんど労…

4.問題と解決策

解決策は、人口を抑制するか、人が消費する資源の量を減らすしかない。前者について、グレッチェン・デイリーとエーリックのおおざっぱな試算(人類の持続可能な生存のために使用できる総エネルギーを年6TW(テラワット)と仮定すると、一人当たり年3kW…

2.閾値の不透明性 3.資源供給の限界

2.閾値の不透明性 生態系の人類との相互依存性について、どれだけ需給がひっ迫したら、破滅的調整が起きるのか、その決定的なラインが知りたいと思う人がいるかもしれない。どれだけの生態系が絶滅したら、人類を含めた他の生態系も道連れにするのだろうか…

資本主義とその行方(事例)〜人口と資源から〜

1.マルサスと現代 資本主義の未来を予測する際にいま最も重要な思想家は、マルサスだ。彼は1798年の『人口論』で、人口が等比級数的に増えるのに対し、資源は等差級数的にしか増えないという法則を発見した経済学者だ。彼によると、経済成長が人口増を引き…