Trans Human Institute

慶應義塾大学出身の商社マン並びに京大院生による思想研究ユニット(Trans Human Institute)。研究成果をはてなブログとニコニコ生放送でリリースしていきます。

5.未来予測の意義

ケインズは、1930年に『孫たちの経済的可能性』の中で、「重要な戦争と顕著な人口増加がないと仮定すれば、およそ100年以内に経済的課題は解決されているであろう。生産力が順調に向上していけば、飢えを寄せ付けない物質的富がもたらされ、人間はほとんど労働をする必要はなくなり、余暇をどのように豊かに過ごすかということが人類にとっての最重要課題となる」と予言した。シュンペーターは「資本主義・社会主義・民主主義(1942)」で、資本主義の原動力であるイノベーションを担うべき企業家が、少子化と社会の官僚主義化によって消滅していくにつれ、資本主義は生き延びることが出来なくなると述べた。

 

ケインズシュンペーターを含め、人間のする予言はあまりあてにならないが、予言が社会に“警告する”という意義はある。悲観的なシミュレーションがもたらす不安は問題への関心と、事態を予防するための行動を喚起する。人類の存続に関わる問題を放置する被害の方が、その事実を知った不安でパニックになる被害よりよほど深刻だ。真に心配するべきは前者なのである。マルサスの時代から、この悲観的な論はいつも不人気であることが宿命づけられていた。子作りをしたいという生き物の(自然の?)欲求に反するからだろう。しかし、タブー視されてきたこの問題に切り込まなくてはならない。

 

文責:THI002

 

ニコ生放送日予定

2014 10/18(土)23:00~にニコニコ生放送でこのテーマで放送します!お時間がある方は是非ご覧ください!

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